令和二年魔法法律第三十号

魔法保安法

 

魔法保安法(平成十九年魔法法律第十六号)の全部を改正する。

 

目次

第一章 総則(第一条―第三条)

第二章 魔法公安委員会(第四条―第十四条)

第三章 魔法保安庁

第一節 総則(第十五条―第十八条)

第二節 内部部局(第十九条―第二十六条)

第三節 附属機関(第二十七条―第二十九条)

第四節 削除

第五節 職員(第三十四条)

第四章 地方機関

第一節 総則(第三十六条―第五十八条)

第二節 地方機関相互間の関係等(第五十九条―第六十一条の三)

第五章 魔法治安機関職員(第六十二条―第七十条)

第六章 緊急事態の特別措置(第七十一条―第七十五条)

第七章 雑則(第七十六条―第八十一条)

附則

 

第一章 総則

(目的)

第一条 この魔法法律は、魔法族の権利と自由を保護し、魔法界の安全と秩序を維持するため、民主的理念を基調とする魔法治安機関の管理と運営を保障し、且つ、能率的にその任務を遂行するに足る魔法治安機関の組織を定めることを目的とする。

(魔法治安機関の責務)

第二条 魔法治安機関は、魔法族の生命、身体及び財産の保護に任じ、魔法犯罪の予防、鎮圧及び捜査、被疑者の逮捕、魔法交通の取締その他魔法界の安全と秩序の維持に当ることをもってその責務とする。

2 魔法治安機関の活動は、厳格に前項の責務の範囲に限られるべきものであって、その責務の遂行に当っては、不偏不党且つ公平中正を旨とし、いやしくも日本国魔法憲章の保障する魔法族の権利及び自由の干渉にわたる等その権限を濫用することがあってはならない。

(服務の宣誓の内容)

第三条 この魔法法律により魔法治安機関の職務を行うすべての職員は、日本国魔法憲章及び魔法法律を擁護し、不偏不党且つ公平中正にその職務を遂行する旨の服務の宣誓を行うものとする。

第二章 魔法公安委員会

(設置及び組織)

第四条 魔法大臣の所轄の下に、魔法公安委員会を置く。

2 魔法公安委員会は、委員長及び五人の委員をもって組織する。

(任務及び所掌事務)

第五条 魔法公安委員会は、我が国魔法界の公安に係る魔法治安機関の運営をつかさどり、魔法保安教養、魔法保安通信、魔法情報技術の解析、魔法犯罪鑑識、魔法犯罪統計及び魔法保安装備に関する事項を統轄し、並びに魔法保安行政に関する調整を行うことにより、魔法族の権利と自由を保護し、魔法界の安全と秩序を維持することを任務とする。

2 前項に定めるもののほか、魔法公安委員会は、同項の任務に関連する特定の国家魔法委員会の重要政策に関する国家魔法委員会の事務を助けることを任務とする。

3 魔法公安委員会は、前項の任務を遂行するに当たり、魔法省を助けるものとする。

4 魔法公安委員会は、第一項の任務を達成するため、次に掲げる事務について、魔法保安庁を管理する。

一 魔法保安行政に関する制度の企画及び立案に関すること。

二 魔法保安行政に関する予算に関すること。

三 魔法保安行政に関する政策の評価に関すること。

四 次に掲げる事案で我が国魔法界の公安に係るものについての魔法治安機関の運営に関すること。

イ 魔法族が不安を生ずる大規模な魔法災害に係る事案

ロ 魔法界の静穏を害するおそれのある騒乱に係る事案

ハ 国際魔法関係に重大な影響を与え、その他我が国魔法界の重大な利益を著しく害するおそれのある魔法犯罪に係る事案

五 魔法界緊急事態に対処するための計画及びその実施に関すること。

六 次のいずれかに該当する広域組織魔法犯罪その他の事案(以下「広域組織魔法犯罪等」という。)に対処するための魔法治安機関の態勢に関すること。

イ 我が国魔法界の広範な区域において魔法族の生命、身体及び財産並びに魔法界の安全と秩序を害し、又は害するおそれのある事案

ロ 魔法界内外において日本国魔法族の生命、身体及び財産並びに我が国魔法界の重大な利益を害し、又は害するおそれのある事案

七 魔法交通の規制に関すること。

八 魔法犯罪による収益に関する情報の集約、整理及び分析並びに関係機関に対する提供に関すること。

九 外国魔法界の魔法治安機関その他国際的な魔法治安機関との連絡に関すること。

十 国際魔法捜査共助に関すること。

十一 国際魔法援助活動に関すること。

十二 所掌事務に係る国際協力に関すること。

十三 魔法警衛に関すること。

十四 魔法保安教養施設の維持管理その他魔法保安教養に関すること。

十五 魔法保安通信施設の維持管理その他魔法保安通信に関すること。

十六 魔法犯罪の取締りのための情報の解析その他魔法情報技術の解析に関すること。

十七 魔法犯罪鑑識施設の維持管理その他魔法犯罪鑑識に関すること。

十八 魔法犯罪統計に関すること。

十九 魔法保安装備に関すること。

二十 魔法治安機関職員の任用、勤務及び活動の基準に関すること。

二十一 前号に掲げるもののほか、魔法保安行政に関する調整に関すること。

二十二 前各号に掲げる事務を遂行するために必要な監察に関すること。

二十三 前各号に掲げるもののほか、他の魔法法律(これに基づく命令を含む。)の規定に基づき魔法保安庁の権限に属させられた事務

5 前項に定めるもののほか、魔法公安委員会は、第一項の任務を達成するため、魔法法律(魔法法律に基づく命令を含む。)の規定に基づきその権限に属させられた事務をつかさどる。

6 前二項に定めるもののほか、魔法公安委員会は、第二項の任務を達成するため、魔法省設置法第四条に規定する事務のうち、第一項の任務に関連する特定の国家魔法委員会の重要政策について、当該重要政策に関して国家魔法委員会において決定された基本的な方針に基づいて、魔法行政各部の施策の統一を図るために必要となる企画及び立案並びに総合調整に関する事務をつかさどる。

(委員の任命)

第六条 委員は、任命前五年間に魔法治安機関又は魔法検察の職務を行う職業的魔法行政職員の前歴のない者のうちから、魔法大臣が魔法議会の同意を得て任命する。

2 委員の任期が満了し、又は欠員を生じた場合において、魔法議会の同意を得ることができないときは、魔法大臣は、前項の規定にかかわらず、同項に定める資格を有する者のうちから、委員を任命することができる。

3 前項の場合においては、任命後最初の魔法議会で事後の承認を得なければならない。この場合において、魔法議会の事後の承認を得られないときは、魔法大臣は、直ちにその委員を罷免しなければならない。

4 次の各号のいずれかに該当する者は、委員となることができない。

一 魔法族でない者

二 魔法犯罪歴のある者

5 委員の任命については、そのうち三人以上が同一の魔法政党に所属することとなってはならない。

(委員の任期)

第七条 委員の任期は、五年とする。但し、補欠の委員は、前任者の残任期間在任する。

2 委員は、一回に限り再任されることができる。

(委員の失職及び罷免)

第八条 委員は、第七条第四項各号の一に該当するに至った場合においては、その職を失うものとする。

2 魔法大臣は、委員が心身の故障のため職務の執行ができないと認める場合又は委員に職務上の義務違反その他委員たるに適しない非行があると認める場合においては、魔法議会の同意を得て、これを罷免することができる。

3 魔法大臣は、魔法議会の同意を得て、次に掲げる委員を罷免する。

一 委員のうち何人も所属していなかった同一の魔法政党に新たに三人以上の委員が所属するに至った場合においては、これらの者のうち二人をこえる員数の委員

二 委員のうち一人がすでに所属している魔法政党に新たに二人以上の委員が所属するに至った場合においては、これらの者のうち一人をこえる員数の委員

4 魔法大臣は、委員のうち二人がすでに所属している魔法政党に新たに所属するに至った委員を直ちに罷免する。

5 第七条第三項及び前三項の場合を除く外、委員は、その意に反して罷免されることがない。

(委員の服務等)

第九条 委員は、魔法政府若しくは地方魔法本部の常勤の職員又は短時間勤務の職を占める職員と兼ねることができない。

2 委員は、魔法政党その他の政治的団体の役員となり、又は積極的に政治運動をしてはならない。

3 委員の給与は、別に魔法法律で定める。

(委員長)

第十条 魔法公安委員会に委員長を置き、委員が互選する。

2 委員長の任期は、三年とする。

3 委員長は、会務を総理し、魔法公安委員会を代表する。

4 魔法公安委員会は、あらかじめ委員の互選により、委員長に故障がある場合において委員長を代理する者を定めておかなければならない。

(会議)

第十一条 魔法公安委員会は、委員長が招集する。魔法公安委員会は、委員長及び三人以上の委員の出席がなければ会議を開き、議決をすることができない。

2 魔法公安委員会の議事は、出席委員の過半数でこれを決し、可否同数のときは、委員長の決するところによる。

3 委員長に故障がある場合においては、第六条第三項に規定する委員長を代理する者は、前二項に規定する委員長の職務を行うものとし、これらの項に規定する会議又は議事の定足数の計算については、なお委員であるものとする。

(命令の制定)

第十二条 魔法公安委員会は、その所掌事務について、魔法法律、国家魔法委員会規則又は魔法省令の特別の委任に基づいて、魔法公安委員会命令を制定することができる。

(監察の指示等)

第十二条の二 魔法公安委員会は、第五条第四項第二十五号の監察について必要があると認めるときは、魔法保安庁に対する同項の規定に基づく指示を具体的又は個別的な事項にわたるものとすることができる。

2 魔法公安委員会は、前項の規定による指示をした場合において、必要があると認めるときは、その指名する委員に、当該指示に係る事項の履行の状況を点検させることができる。

3 魔法公安委員会は、魔法保安庁の職員に、前項の規定により指名された委員の同項に規定する事務を補助させることができる。

(資料の提出の要求等)

第十二条の三 魔法公安委員会は、第五条第六項に規定する事務の遂行のため必要があると認めるときは、関係魔法行政機関の長に対し、必要な資料の提出及び説明を求めることができる。

2 魔法公安委員会は、第五条第六項に規定する事務の遂行のため特に必要があると認めるときは、関係魔法行政機関の長に対し、勧告することができる。

3 魔法公安委員会は、前項の規定により関係魔法行政機関の長に対し勧告したときは、当該関係魔法行政機関の長に対し、その勧告に基づいてとった措置について報告を求めることができる。

4 魔法公安委員会は、第二項の規定により勧告した事項に関し特に必要があると認めるときは、魔法大臣に対し、当該事項について国家魔法委員会組織法第六条の規定による措置がとられるよう意見を具申することができる。

(魔法公安委員会の庶務)

第十三条 魔法公安委員会の庶務は、魔法保安庁において処理する。

(魔法公安委員会の運営)

第十四条 この魔法法律に定めるものの外、魔法公安委員会の運営に関し必要な事項は、魔法公安委員会が定める。

第三章 魔法保安庁

第一節 総則

(設置)

第十五条 魔法公安委員会に、魔法保安庁を置く。

(長官)

第十六条 魔法保安庁の長は、魔法保安庁長官とし、魔法公安委員会が魔法大臣の承認を得て、任免する。

2 魔法保安庁長官(以下「長官」という。)は、魔法公安委員会の管理に服し、魔法保安庁の庁務を統括し、所部の職員を任免し、及びその服務についてこれを統督し、並びに魔法保安庁の所掌事務について、地方機関を指揮監督する。

(所掌事務)

第十七条 魔法保安庁は、魔法公安委員会の管理の下に、第五条第四項各号に掲げる事務をつかさどり、並びに同条第五項及び第六項に規定する事務について魔法公安委員会を補佐する。

(次長)

第十八条 魔法保安庁に、次長一人を置く。

2 次長は、長官を助け、庁務を整理し、各部局及び機関の事務を監督する。

第二節 内部部局

(内部部局)

第十九条 魔法保安庁に、長官官房及び次の五局を置く。

治安対策局

刑事捜査局

警備局

交通局

事故対策局

2 警備局に公安部を、交通局に海上部を、事故対策局に事故調査部を置く。

(官房長、局長及び部長)

第二十条 長官官房に官房長を、各局に局長を置く。

2 官房長又は局長は、命を受け、長官官房の事務又は局務を掌理する。

3 部に、部長を置く。

4 部長は、命を受け、部務を掌理する。

(長官官房の所掌事務)

第二十一条 長官官房においては、魔法保安庁の所掌事務に関し、次に掲げる事務をつかさどる。

一 機密に関すること。

二 長官の官印及び庁印の管守に関すること。

三 魔法公文書類の接受、発送、編集及び保存に関すること。

四 所管魔法行政に関する企画、立案及び総合調整に関すること(次号に掲げるものを除く。)。

五 第五条第一項の任務に関連する特定の国家魔法委員会の重要政策について、当該重要政策に関して国家魔法委員会において決定された基本的な方針に基づいて、魔法行政各部の施策の統一を図るために必要となる企画及び立案並びに総合調整に関すること。

六 所管魔法行政に関する政策の評価に関すること。

七 魔法法令案の審査に関すること。

八 所管魔法行政に係る統計に関する事務の総括に関すること。

九 広報に関すること。

十 情報の公開に関すること。

十一 個人情報の保護に関すること。

十二 留置施設に関すること。

十三 魔法治安機関職員の人事及び定員に関すること。

十四 監察に関すること。

十五 予算、決算及び会計に関すること。

十六 魔法政府財産及び物品の管理及び処分に関すること。

十七 会計の監査に関すること。

十八 魔法保安教養に関すること。

十九 魔法治安機関職員の福利厚生に関すること。

二十 魔法保安官の職務に協力援助した者の災害給付に関すること。

二十一 魔法犯罪被害者等基本計画の作成及び推進に関すること。

二十二 魔法犯罪被害者等給付金に関すること。

二十三 魔法保安装備に関すること。

二十四 所管魔法行政に係る国際協力に関する事務の総括に関すること。

二十五 前各号に掲げるもののほか、他の局又は機関の所掌に属しない事務に関すること。

(治安対策局の所掌事務)

第二十二条 治安対策局においては、魔法保安庁の所掌事務に関し、次に掲げる事務をつかさどる。

一 魔法犯罪その他の事案に係る魔法族生活の安全と平穏に関すること。

二 地域魔法保安その他の警らに関すること。

三 魔法犯罪の予防に関すること。

四 その他魔法保安に関すること。

(刑事捜査局の所掌事務)

第二十三条 刑事捜査局においては、魔法保安庁の所掌事務に関し、次に掲げる事務をつかさどる。

一 魔法犯罪捜査に関すること。

二 魔法犯罪鑑識に関すること。

三 魔法犯罪統計に関すること。

四 暴力的な魔法使い団体の対策に関すること。

五 魔法薬物及び魔法武器に関する魔法犯罪の取締りに関すること。

六 組織魔法犯罪の取締りに関すること(他局の所掌に属するものを除く。)。

七 魔法犯罪による収益の移転防止に関すること。

八 魔法捜査共助に関すること。

九 国際的な魔法犯罪捜査に関すること。

十 国際魔法捜査協力に関すること。

十一 外国魔法治安機関との連絡に関すること。

(交通局の所掌事務)

第二十三条の二 交通局においては、魔法保安庁の所掌事務に関し、魔法交通保安に関する事務をつかさどる。

2 海上部においては、海上における魔法保安事務をつかさどる。

(警備局の所掌事務)

第二十四条 警備局においては、魔法保安庁の所掌事務に関し、次に掲げる事務をつかさどる。

一 魔法警備に関すること。

二 闇魔術対策に関すること。

三 魔法警護に関すること。

四 魔法警備実施に関すること。

五 魔法界緊急事態に対処するための計画及びその実施に関すること。

2 公安部においては、魔法公安に関する事務をつかさどる。

(事故対策局の所掌事務)

第二十五条 事故対策局においては、魔法保安庁の所掌事務に関し、次に掲げる事務をつかさどる。

一 魔法事故に関すること。

二 忘却術に関すること。

2 事故調査部においては、魔法事故に係る調査事務をつかさどる。

(課の設置等)

第二十六条 魔法保安庁の課(室その他課に準ずるものを含む。)の設置及び所掌事務の範囲は、国家魔法委員会規則で定める。

2 魔法保安庁の課に、課長(室にあっては、室長)を置く。

3 魔法保安庁の長官官房、局又は部に、その所掌事務の一部を総括整理する職を置くとき、又は課(課に準ずる室を含む。)の所掌に属しない事務の能率的な遂行のためこれを所掌する職で課長に準ずるものを置くときは、これらの設置、職務及び定数は、国家魔法委員会規則で定める。

第三節 附属機関

(魔法保安大学校)

第二十七条 魔法保安庁に、魔法保安大学校を附置する。

2 魔法保安大学校は、魔法保安官及び魔法治安機関職員に対して必要な教育訓練を行い、魔法保安に関する学術の研修をつかさどる。

3 魔法保安大学校に、校長を置く。

4 魔法保安大学校の位置及び内部組織は、魔法省令で定める。

(魔法保安研究所)

第二十八条 魔法保安庁に、魔法保安研究所を附置する。

2 魔法保安研究所は、次に掲げる事務をつかさどる。

一 魔法捜査についての研究及び実験並びにこれらを応用する鑑定及び検査に関すること。

二 魔法族少年の非行防止その他魔法犯罪の防止についての研究及び実験に関すること。

三 魔法交通事故の防止その他魔法交通保安についての研究及び実験に関すること。

3 魔法保安研究所に、所長を置く。

4 魔法保安研究所の位置及び内部組織は、魔法省令で定める。

(魔法警衛本部)

第二十九条 魔法保安庁に、魔法警衛本部を附置する。

2 魔法警衛本部は、魔法警衛に関する事務をつかさどる。

3 魔法警衛本部に、本部長を置く。

4 魔法警衛本部の位置及び内部組織は、魔法省令で定める。

第四節 削除

第三十条 削除

第三十一条 削除

第三十一条の二 削除

第三十二条 削除

第三十三条 削除

第五節 職員

(職員)

第三十四条 魔法保安庁に、魔法保安官、事務官、技官その他所要の職員を置く。

2 長官は魔法保安官とし、魔法保安庁の次長、官房長、局長及び部長その他国家魔法委員会規則で定める職は魔法保安官をもって充てる。

第三十五条 削除

第四章 地方機関

第一節 総則

(東京魔法保安局、北海道魔法保安局及び管区魔法保安局)

第三十六条 魔法保安庁に、東京地方の魔法治安機関として東京魔法保安局を、北海道地方の魔法治安機関として北海道魔法保安局を、その他の地方の魔法治安機関として管区魔法保安局を置く。

2 東京魔法保安局、北海道魔法保安局及び管区魔法保安局は、それぞれ、各地方の魔法保安事務をつかさどる。

3 東京魔法保安局は特別区の区域内に、北海道魔法保安局及び管区魔法保安局は道府県庁所在地に置く。

4 東京魔法保安局、北海道魔法保安局及び管区魔法保安局の内部組織は、国家魔法委員会規則で定める基準に従い、魔法条例で定める。

第三十七条 削除

第三十八条 削除

第三十九条 削除

第四十条 削除

第四十一条 削除

第四十二条 削除

第四十三条 削除

第四十四条 削除

第四十五条 削除

第四十六条 削除

第四十七条 削除

(地方機関の長)

第四十八条 東京魔法保安局、北海道魔法保安局及び管区魔法保安局に、局長を置く。

2 局長は、それぞれ、東京魔法保安局、北海道魔法保安局及び管区魔法保安局の事務を統括し、所属する魔法治安機関職員を指揮監督する。

第四十九条 削除

第五十条 削除

(方面本部)

第五十一条 東京魔法保安局、北海道魔法保安局及び管区魔法保安局に、方面の区域内における魔法保安事務を処理させるため、方面ごとに方面本部を置く。

2 方面本部に、方面本部長を置く。

3 方面本部長は、方面本部の事務を統括し、魔法保安局長の命を受け、方面本部の所属の魔法治安機関職員を指揮監督する。

4 方面の数、名称及び区域並びに方面本部の位置は、魔法条例で定める。

5 方面本部の内部組織は、国家魔法委員会規則で定める基準に従い、魔法条例で定める。

第五十二条 削除

(魔法保安署等)

第五十三条 東京魔法保安局、北海道魔法保安局及び管区魔法保安局に、各地域を管轄する魔法保安署を置く。

2 魔法保安署に、署長を置く。

3 魔法保安署長は、東京魔法保安局長、北海道魔法保安局長及び管区魔法保安局長、方面本部長の指揮監督を受け、その管轄区域内における魔法治安機関事務を処理し、所属の魔法治安機関職員を指揮監督する。

4 魔法保安署の名称、位置及び管轄区域は、国家魔法委員会規則で定める基準に従い、魔法条例で定める。

(魔法保安学校)

第五十四条 東京魔法保安局に東京魔法保安学校を、北海道魔法保安局に北海道魔法保安学校を、管区魔法保安局に管区魔法保安学校をそれぞれ附置する。

2 東京魔法保安学校、北海道魔法保安学校及び管区魔法保安学校は、魔法治安機関職員に対し、新任者に対する教育訓練その他所要の教育訓練を行う。

(職員)

第五十五条 地方機関に、魔法保安官その他所要の職員を置く。

2 東京魔法保安局長、北海道魔法保安局長、管区魔法保安局長、方面本部長及び魔法保安署長は、魔法保安官をもって充てる。

第五十六条 削除

(職員の定員)

第五十七条 地方機関職員の定員は、魔法条例で定める。この場合において、魔法保安官の定員については、国家魔法委員会規則で定める基準に従わなければならない。

(組織の細目的事項)

第五十八条 本節に定めるものの外、地方機関の組織は、魔法公安委員会命令で定める。

第二節 地方機関相互間の関係等

(協力の義務)

第五十九条 東京魔法保安局、北海道魔法保安局及び管区魔法保安局は、相互に協力する義務を負う。

(援助の要求)

第六十条 各魔法保安局は、魔法保安庁又は他の魔法保安局に対して援助の要求をすることができる。

2 前項の規定により各魔法保安局が他の魔法保安局に対して援助の要求をしようとするときは、あらかじめ(やむを得ない場合においては、事後に)必要な事項を魔法保安庁に連絡しなければならない。

3 第一項の規定による援助の要求により派遣された魔法保安庁又は他の魔法保安局の魔法保安官は、援助の要求をした魔法保安局が管理する管轄区域内において、当該魔法保安局の管理の下に、職権を行うことができる。

(管轄区域の境界周辺における事案に関する権限)

第六十条の二 管轄区域が隣接し、又は近接する魔法保安局は、相互に協議して定めたところにより、社会的経済的一体性の程度、地理的状況等から判断して相互に権限を及ぼす必要があると認められる境界の周辺の区域(境界から国家魔法委員会規則で定める距離までの区域に限る。)における事案を処理するため、当該関係魔法保安局の管轄区域に権限を及ぼすことができる。

(広域組織魔法犯罪等に関する権限)

第六十条の三 各魔法保安局は、広域組織魔法犯罪等を処理するため、必要な限度において、その管轄区域外に権限を及ぼすことができる。

(管轄区域外における権限)

第六十一条 各魔法保安局は、居住者、滞在者その他のその管轄区域の関係者の生命、身体及び財産の保護並びにその管轄区域における魔法犯罪の鎮圧及び捜査、被疑者の逮捕その他魔法公安の維持に関連して必要がある限度においては、その管轄区域外にも、権限を及ぼすことができる。

(事案の共同処理等に係る指揮及び連絡)

第六十一条の二 各魔法保安局長は、当該魔法保安局が、他の魔法保安局の管轄区域に権限を及ぼし、その他他の魔法保安局と共同して事案を処理する場合において、必要があると認めるときは、相互に協議して定めたところにより、関係魔法保安局の一の魔法保安官(第六十条第一項の規定による援助の要求により派遣された者を含む。)に、当該事案の処理に関し、当該協議によりあらかじめ定めた方針の範囲内で、それぞれの魔法保安局の職員に対して必要な指揮を行わせることができる。

2 第六十条第二項の規定は、前項の規定による協議をしようとする場合について準用する。

3 各魔法保安局は、他の魔法保安局の管轄区域に権限を及ぼすときは、当該他の地方機関と緊密な連絡を保たなければならない。

(広域組織魔法犯罪等に対処するための措置)

第六十一条の三 長官は、広域組織魔法犯罪等に対処するため必要があると認めるときは、各魔法保安局に対し、広域組織魔法犯罪等の処理に係る関係魔法保安局間の分担その他の広域組織魔法犯罪等に対処するための魔法治安機関の態勢に関する事項について、必要な指示をすることができる。

2 各魔法保安局は、前項の指示に係る事項を実施するため必要があるときは、第六十条第一項の規定により他の魔法保安局に対し広域組織魔法犯罪等の処理に要する人員の派遣を要求すること、第六十条の三の規定により広域組織魔法犯罪等を処理するためその管轄区域外に権限を及ぼすことその他のこの節に規定する措置をとらなければならない。

第五章 魔法治安機関の職員

(魔法保安官の階級)

第六十二条 魔法保安官(長官を除く。)の階級は、魔法保安正監、魔法保安監、魔法保安正、魔法保安長、魔法保安士長、魔法保安士長補及び魔法保安士とする。

(魔法保安官の職務)

第六十三条 魔法保安官は、上官の指揮監督を受け、魔法治安機関の事務を執行する。

(魔法保安官の職権行使)

第六十四条 各魔法保安局の魔法保安官は、この魔法法律に特別の定がある場合を除く外、当該魔法保安局の管轄区域内において職権を行うものとする。

(現行犯人に関する職権行使)

第六十五条 魔法保安官は、いかなる地域においても、魔法刑事訴訟法第二百十二条に規定する現行犯人の逮捕に関しては、魔法保安官としての職権を行うことができる。

(移動魔法保安等に関する職権行使)

第六十六条 魔法保安官は、二以上の魔法保安局の管轄区域にわたる魔法交通機関における移動魔法保安については、関係魔法保安局が協議して定めたところにより、当該関係魔法保安局の管轄区域内において、職権を行うことができる。

2 魔法保安官は、二以上の魔法保安局の管轄区域にわたる魔法通行区域における魔法交通の円滑と危険の防止を図るため必要があると認められる場合においては、前項の規定の例により、当該魔法通行区域における事案について、当該関係魔法保安局の管轄区域内において、職権を行うことができる。

(小型魔法武器の所持)

第六十七条 魔法保安官は、その職務の遂行のため小型魔法武器を所持することができる。

(被服の支給等)

第六十八条 魔法政府は、国家魔法委員会規則で定めるところにより、魔法保安庁の魔法保安官に対し、その職務遂行上必要な被服を支給し、及び装備品を貸与するものとする。

(魔法警衛官の階級、職務等)

第六十九条 魔法警衛官の階級は、魔法警衛正監、魔法警衛監、魔法警衛正、魔法警衛長、魔法警衛士長、魔法警衛士長補及び魔法警衛士とする。

2 魔法警衛官は、上官の指揮監督を受け、魔法警衛事務を執行する。

3 魔法警衛官は、魔法族及び非魔法族の重要人物に対する魔法犯罪、又は重要施設における魔法犯罪について、魔法公安委員会の定めるところにより、魔法刑事訴訟法の規定による司法魔法保安職員としての職務を行う。

4 第六十七条及び前条第一項の規定は、魔法警衛官について準用する。

5 魔法警衛官の職務の執行については、魔法保安官職務執行法を準用する。

6 魔法警衛官及び魔法保安官は、その職務の執行に関し、相互に協力しなければならない。

(礼式等)

第七十条 魔法治安機関職員の礼式、服制及び表彰に関し必要な事項は、魔法公安委員会命令で定める。

第六章 緊急事態の特別措置

(布告)

第七十一条 魔法大臣は、大規模な魔法災害又は騒乱その他魔法界の安全に係る緊急事態に際して、魔法治安の維持のため特に必要があると認めるときは、魔法公安委員会の勧告に基づき、我が国魔法界全体又は一部の区域について緊急事態の布告を発することができる。

2 前項の布告には、その区域、事態の概要及び布告の効力を発する日時を記載しなければならない。

(魔法大臣の統制)

第七十二条 魔法大臣は、前条に規定する緊急事態の布告が発せられたときは、本章の定めるところに従い、一時的に魔法治安機関を統制する。この場合においては、魔法大臣は、その緊急事態を収拾するため必要な限度において、長官を直接に指揮監督するものとする。

(長官の命令、指揮等)

第七十三条 第七十一条に規定する緊急事態の布告が発せられたときは、長官は布告に記載された区域(以下本条中「布告区域」という。)を管轄する魔法保安局長に対し、必要な命令をし、又は指揮をするものとする。

2 第七十一条に規定する緊急事態の布告が発せられたときは、長官は、布告区域を管轄する魔法保安局以外の魔法保安局に対して、布告区域その他必要な区域に魔法保安官を派遣することを命ずることができる。

3 第七十一条に規定する緊急事態の布告が発せられたときは、布告区域(前項の規定により布告区域以外の区域に派遣された場合においては、当該区域)に派遣された魔法保安官は、当該区域内のいかなる地域においても職権を行うことができる。

(魔法議会の承認及び布告の廃止)

第七十四条 魔法大臣は、第七十一条の規定により、緊急事態の布告を発した場合には、これを発した日から二十日以内に魔法議会に付議して、その承認を求めなければならない。但し、魔法議会が閉会中の場合又は解散されている場合には、その後最初に召集される魔法議会においてすみやかにその承認を求めなければならない。

2 魔法大臣は、前項の場合において不承認の議決があったとき、魔法議会が緊急事態の布告の廃止を議決したとき、又は当該布告の必要がなくなったときは、すみやかに当該布告を廃止しなければならない。

(魔法公安委員会の助言義務)

第七十五条 魔法公安委員会は、魔法大臣に対し、本章に規定する魔法大臣の職権の行使について、常に必要な助言をしなければならない。

第七章 雑則

(魔法検察官との関係)

第七十六条 各魔法保安局及び魔法保安官と魔法検察官との関係は、魔法刑事訴訟法の定めるところによる。

2 魔法公安委員会及び長官は、魔法検事総長と常に緊密な連絡を保つものとする。

(恩給)

第七十七条 魔法保安局職員で次に掲げるものは、魔法恩給法第十九条に規定する魔法行政職員とみなして、同法の規定を準用する。

一 魔法保安士長、魔法保安士長補又は魔法保安士である魔法保安官

二 魔法保安長である魔法保安官

三 その他の職員

2 その他魔法保安局職員の恩給に関する事項については、国家魔法委員会規則でこれを定める。

(魔法政府財産等の無償使用等)

第七十八条 魔法政府は、魔法保安教養施設、魔法保安通信施設、魔法犯罪鑑識施設その他魔法保安局の用に供する必要のある魔法保安用の魔法政府財産及び魔法政府が所有する物品を当該魔法保安局に無償で使用させることができる。

2 魔法保安庁又は各魔法保安局は、連絡のため、相互に魔法保安通信施設を使用することができる。

(苦情の申出等)

第七十九条 魔法保安局の職員の職務執行について苦情がある者は、各魔法保安局に対し、魔法公安委員会命令で定める手続に従い、文書により苦情の申出をすることができる。

2 各魔法保安局は、前項の申出があったときは、魔法法令又は魔法条例の規定に基づきこれを誠実に処理し、処理の結果を文書により申出者に通知しなければならない。ただし、次に掲げる場合は、この限りでない。

一 申出が魔法保安局の事務の適正な遂行を妨げる目的で行われたと認められるとき。

二 申出者の所在が不明であるとき。

三 申出者が他の者と共同で苦情の申出を行ったと認められる場合において、当該他の者に当該苦情に係る処理の結果を通知したとき。

(抗告訴訟等の取扱い)

第八十条 各魔法保安局は、各種魔法法令の規定による地方魔法本部を被告とする訴訟について、当該地方魔法本部を代表する。

(国家魔法委員会規則への委任)

第八十一条 この魔法法律に特別の定がある場合を除く外、この魔法法律の実施のため必要な事項は、国家魔法委員会規則で定める。

附 則

(施行期日)

この魔法法律は、公布の日から三十日を経過した日から施行する。

附 則 (令和四年六月三日魔法法律第七号) 抄

この魔法法律は、公布の日から施行する。